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『おだんご頭』の効用

ハマりたての初期に書いたものです。
元基にーちゃん視点。
とりあえず……ギャグくさい。














「うさこ、帰るぞ」
「ううう……も、もう少し……もう少しであのくまちゃんが取れそうだから……」
久しぶりに顔を出したクラウンで、僕はもう今では対して珍しくもない光景を目にした。
ゲームに夢中になっている彼女を、
僕の大学の同級生であるその彼氏が引き離そうとしている構図だ。
以前は会えばケンカばかり、といった2人がどうやってまとまったのかは謎だったけれど、
今では彼女の方がべったりくっついている恋人同士なのが当たり前で、
その風景は微笑ましかった。

しかし、ゲームに夢中になっている彼女はなかなか手強い。
さてさて、彼氏君はどうするんだろう、と遠巻きから見ていると、
案の定、困り果てた彼氏が、腕に手をかける。

「もう今度でいいだろう?」
「もうちょっと……もうちょっとだから……」
「うーさーこ」
「もう少し……」
「うさ」
「あと少し……」
「うさぎ」
「あとちょっと……」

「…………お団子あたま!」

ぴきっとイナズマが走ったかのように、彼女の体が瞬時に固まった。
その隙を逃さず、腕を取った彼氏君は、そのまま出口へと向かっていく。
「まもちゃん……それって……それって……」
「仕方ないだろ?うさこがゲームから離れないのが悪いんだから」
まだ固まりが解けぬまま、うるうるとした瞳をした彼女を見ないように、
決まり悪げな表情を浮かべた彼氏はそのまま彼女とその場を後にした。

「なるほどねぇ……」

数秒にも満たない掛け合いを見て、僕は妙に納得してしまった。
言うなれば、魔法の言葉という奴だろう。
忘れさっていた、2人のあの関係を思い出させる、
今では彼女に甘い彼氏が唯一、彼女の優位に立てる言葉なのかもしれない。
仲の良い2人が、仲たがいばかりしていたあの時の2人に重なってみえるのも
また面白いもんだと、僕はつくづく思った。


fin


あとがき(反転)

まもちゃんは、後期になると全然おだんご頭と呼ばないので、
こういう使い方をしてたらオモロイなと思って書いてみたようです。
(ようですってあーた……)
元基おにーさん視線の2人。

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