まもちゃんとうさぎちゃんをどう思ってるか、っていう話です。
すんなり書けたのが亜美ちゃんでした。
ちびうさちゃんに話してる感じです。

　　　　　Focus
 ～亜美ちゃんの場合～

え？衛さんとうさぎちゃんについてどう思うか？
……どうしてそんなことを聞くの？
…へえ、そんな修行があるのね……。
それに何の意味があるのかわからないけれど……
そうね、いいわ。
結構面白そうだし、私も協力するわね。

まず、うさぎちゃんだけど……
うさぎちゃんは……私にとって、はじめてのお友達だったの。
私はね、小さい頃から、みんなと遊ぶことなんてなくて、勉強ばっかりしていたら、
自然と一人になっていて、
周りの人から距離を置かれることが当然になっていたのよ。
まあ、私は別にそれで構わないと思っていたし、
友達なんてつくるより、参考書を読んでいたほうが自分のためになるって、
当時は信じて疑わなかったわ。

でも、やっぱりどこか……寂しかったのかな、なんて今では思うの。
うさぎちゃんが、「天才少女の同級生」じゃなくて、
「水野亜美っていう同い年の女の子」っていう風に、私に話しかけて、
接してくれたことがとても嬉しかったのがその証拠。
肩書きとか、そういうものなしに、純粋に人に接することができるうさぎちゃんを
うらやましいと思うし、お勉強できるより、そういうことの方が大事じゃないかって
うさぎちゃんに会って思うようになったわ。
そうね、だから、うさぎちゃんは恩人ってことになるかもしれないわね。
これでもうちょっと、お勉強に身が入ればいいのに……って思うこともあるけど、
そういうところも、うさぎちゃんらしいといえば、うさぎちゃんらしくて、
なんだか、憎めないのよね。

衛さんは……
最初に会ったときの印象は、
「うさぎちゃんに妙につっかかる人」だったかしら。
別にそこまで言わなくてもいいのに……っていう言葉を
一言二言くっつけるから、当初は理解できなかったわ。
それが好意の裏返しだった、って気づいたのは、
衛さんとうさぎちゃんが付き合いだしてからのことだったかしら。
今じゃすっかり、うさぎちゃんに振り回されてるみたいで。
ふふ、見ていて楽しいわ。

衛さんも医者を目指してるってこともあって、
話を聞くととても興味深いところがたくさんあるのよ。
私も大学に言ったら、あれだけの知識がつくのかしらって、思うくらい。
今の時点での私の目標……かしら。
とにかく、衛さんに負けないようにしたいと思うわ。

うさぎちゃんと衛さん、
２人とも、興味とか、性格とかまるで違っているのに、
一緒にいると、噛み合っていて、見ていて安心ができるのが、とても不思議よね。
いうなれば、お互いの足りないところを補っているっていうのかしら。
前世とか、未来とかいろいろなものを見てきたけれど、
それを超えた何かの絆が２人の間にあるみたい。
恋愛って別にどうでもいいっておもっていたけれど、
２人を見ていると、私も恋をしてみたいって思うようになったわ。
……もちろん、勉学に支障がない程度に、だけどね。

……と、だいたいこんなところかしら？
どう？参考になった？
そう。お役に立ててよかったわ。
じゃあ私、塾があるから、もう行くわね。
うん、じゃあまたね。


fin


あとがき。

ちょっといつもと視点を変えて。
ふと、亜美ちゃんは２人をどう見ているだろう……？
と思って書いたものです。
内部戦士といえども、個性は別々、
きっとそれぞれに２人を見ている眼差しとか思いとか、
違うんだろうなーと思います。
そういうのを考えてみるのも面白いですよね。
……とかいいつつ、シリーズ化する予定は今のところありません……orz