[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「ええ。だから貴方が生まれたとき、とっても嬉しかったのよ。
ああ、やっと会えたのねって」
ちびうさとネオクイーンセレニティ。うさぎとの絆。
My Mother
クリスタルはママに似てる。
そう思ったのは、物心ついた頃だったのかな。
気がつけば、そう思ってた。
綺麗で素敵で、いつも輝いていて、みんなを照らしてくれる。
温かい光をいつもくれる。
だけど、どこか近寄りがたくて。ううん。近寄りすぎてはいけない気がして。
ママもパパも大好きだけど、思いっきり甘えることができなかったの。
20世紀にいくまでは……。
「スモールレディ」
温かい声に、ハッと意識を戻すと、ママが心配そうな顔で、あたしを見ていた。
「どうしました?」
すっとママの長い手があたしを包み込む。
甘い匂い。優しい声。
「ううん。なんでもないの」
あたしはママに擦り寄って、ママの胸に飛び込んだ。
「久しぶりにママと一緒に寝るから、嬉しかっただけ」
「まあ、私もですよ。スモールレディ」
そういうと、ママはあたしを抱きしめてくれた。
あたしも負けじとママにしがみつく。
「ねぇママ」
「なあに?」
「ママってさ、うさぎ、なんだよね」
「ええ、そうよ」
「ねえ、じゃあさ、ママもうさぎってことなんだよね」
「そうね。そういうことになるわね」
「じゃあさ……その時のあたしのこと……覚えてる?」
時間の行き来なんて、ほんとはやっちゃいけないタブー。
だけど、それをしなければ、未来が滅びるってこともあったし、
修行のために行ったこともあった。
未来から過去へ。
本当は存在するハズのない私が過去にいったことは、
未来のママたちの記憶にも残ってるのかなって思った。
それから、ママは、このこと、覚えてるのかなってずっと気になってたんだ。
ママは私の頭を静かに優しくなでていった。
「そうね……覚えていますよ」
「え?どんなどんな?」
「そうね……私が寝ている布団におもらしされたりとか」
「え」
「パイを横取りされた日もあったかしらね」
「あ、あのそれは……」
「バカうさぎって呼ばれるのはいつものことだったし……」
「………………ご、ごめんなさい……」
ママとうさぎは一緒って分かってるんだけど、
なんだか凄く馴染みやすくて、つい憎まれ口を叩いてしまった。
固まってるあたしを見て、ママはくすりと笑った
「いいのよ。当時の私も貴方に大人気ないことたくさん言ったし……
最初は生意気ねって思ったけど、いつのまにかそれを楽しんでたのよ」
「ほんと?」
「ええ。だから貴方が生まれたとき、とっても嬉しかったのよ。
ああ、やっと会えたのねって」
抱きしめるママの腕に力がこもるのが分かった。
「私は、あの頃よりずっと年を取って、話し方や貴方に対する態度が
変わったことは否めないけど。
……だけど、過去も、今も、そして未来も、あなたが大好きよ。
スモールレディ……ううん、ちびうさ」
「……うん、あたしも……あたしも大好きだよ……ママ……
……うさぎ!」
20世紀に行って、うさぎに会って、
こんなに素敵なママとは、全然かけ離れた人が、昔のママだなんて
すぐには信じられなかった。
ドジで泣き虫で食い意地が張ってて、どうしようもないおバカさんだったし、
あたしもあたしで意地張っちゃって、いつもケンカばかりしてた。
だけど、いざという時、あたしを守る時は命をかけてくれた。
水晶みたいに、強くて、キラキラしてた。
だから、ああ、この人はママ、なんだなって心にすっと入ってきたんだ。
凄く楽しかった。
気兼ねなく、おしゃべりして、ケンカして。
30世紀のママともこうやってずっと仲良くしたいなって
その時本当に思ったんだ。
ちびうさちゃんってほんとママのこともうさぎのことも大好きなんですよねー。
でも、うさぎはママって認識がイマイチ結びついていないような、
そんなところが見える気がします。
でも、だからこそ以前よりいっそう親しみが湧いて、
もっとママ大好きで親子仲良くなってたらいいなーと思ってます。
因みに、おもらし話は「R」、パイ横取りの話は「SS」です。
なんだこの間の空いた例(笑)
≪ 銀河で誓った恋(エンセレ) | | HOME | | 無印29話まもうさ ≫ |