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君って奴は。


アニメの初期。Rでうさぎと衛が付き合いだしてからの
元基にーちゃんと衛の会話。
…まもちゃんまだツンデレさが残ってます(何)

















「話ってなんだよ、元基」

僕は今、目の前の友人に向かって、一世一代の問いを投げかけようとしていた。
目の前の当人は、そんな僕の心境を全く感じる素振りもなく、
また小難しい本を読みふけっていたりするのだけれど。
僕の気持ちを哀れむかのように、
机においてある飲み干されたグラスの氷がカランと音をたてた。

「なあ、地場」
このまま黙っていても埒はあかない。
僕はごくりと喉をならし、意をけっして、問いを投げかけた。
「最近、お前彼女できたみたいだよな」
「ああ」
「その彼女ってさ……もしかして……もしかしなくても……

 うさぎ、ちゃん?」

僕のただならぬ空気に、戸惑ったのか、
ポリポリと頬をかいた地場は、それでも冷静に、いつもの調子で僕に返事を返した。

「ああ、そうだよ」

その瞬間、イナズマのような……いや、最近はやっているものの言葉で言えば、
セーラージュピターのシュープリームサンダーを受けたようなダメージを受けたのはいうまでもない。
「やっぱり……か」
「……やっぱり、ってなんだよ」
ガクリとうなだれているような僕に、
なんとなく、居心地が悪そうに地場が口を開いた。
「ああ。実はずっと気になっててね……
会えばいつも口げんかで、『相性が悪いのかもな』とか
地場にしては珍しいことを口にするくらい犬猿の仲だったのにも関わらず
最近よく2人でいるのを見かけるなぁとは思ってたんだ。うん。」
「……長い台詞だな」
「だが!だが地場!分かってるのか!?」
「……なにが?」
「うさぎちゃんはまだ中学生なんだぞっっ!!!」

僕は渾身の一言を言い放った。
あまりにも渾身過ぎて、大声になってあまつ、喫茶店中に声が響き渡ったことはとりあえず気にしない。
だけど……そう思わずにはいられないんだ。ほんとに。
「……おまえ、それが言いたかったのか?」
「いや、これほど重要なことは他にないと思うんだけど」
「おまえだって、いつの日か、あの子はもう立派なレディだとか言ってたじゃないか」
「恋人になるってのとはまた違うだろ!
 はっきりいってお前、かなりモテるんだぞ?
 そんなお前に彼女はいますか。はいいます中学生ですなんていったら、
 どれだけ衝撃的なことになるか分かってないだろ!」

実はこれが一番厄介なことだ。
地場の一番の友達、と周囲に認識されている僕は
ストレートにも、遠回りにでも、地場に彼女はいるのかと聞かれることは
たまにじゃなくてザラにある。
いや、誤魔化せばいいんだけど、元来隠し事が苦手な僕は、すぐ顔に出てしまって、
追求されてボロ出してしまうのがオチなのだ……
よりによって、こんな重大な事実、隠しとおせるはずがない。
必死になっている僕と裏腹に、地場は対して動揺もせず、本を開きなおした。

「別に、大したことじゃないだろ。
 歳の差くらい、もっと歳を重ねれば、普通にあることじゃないか」
「いや、10代の歳の差は20代の倍くらい、いや倍以上あるようなもんだぞ!?
 お前、ロ、ロリコンって言われてもいいのかっ!?」

「ああ、構わない」

さらり、と地場はいった。
……一世一代のつもりで放った言葉を、
あまりにも簡単にかわされて、僕は反す言葉を失う。

「周りの評価なんて、はっきりいってどうでもいい。
 俺が大切にしたいから、大切にする。
 好きだから、好きだというんだ。
 あいつじゃなきゃ、そんなことしないよ」

言葉は淡々としているけれど、今まで聞いた地場のどの言葉よりも、
心がこもっているように感じた。

ああ、まったく。

地場には叶わない。

人の目や世間体なんて気にせず、
自分が本当に大事だと思ったものを、大事に守り通すのが、
地場っていう人間なんだな。
だから、俺がどれだけ言ったって、
地場がうさぎちゃんを大事にするのはやめないだろうし、
辞める気すら起こさないだろう。

ああ全く。

叶わない。

だけど、そこが、
いつも完璧に見える地場の、人間らしい一面のように思えて、
地場がいつもより身近に感じられた。

「……わかったよ。そこまでいうんならもう何もいわないよ。
 僕も、なるべくボロを出さないように気をつけるよ」
「ボロ?なんだそれ?」
「……もっと詳しく考えたら、分かるかもね」
ああ、全く気づかないのもある意味才能なんだろうか。
これじゃ、うさぎちゃんも苦労するなぁ……
地場の鈍感さにため息半分、苦笑半分、といった口調で答えた後、
僕は、コップの水を一気に飲み干した。


fin



あとがき(反転)

ストックが……マジでなくなってきたんだ母さん……
ということで、ハマりたてのころに書いた小話です。

今回言わせたかった言葉
「うさぎちゃんは中学生」
「ロリコン」(笑)
これが言わせたかったがために、元基兄さんに出張ってもらうことになってしまいました……
ああ、でも性格絶対違いますね。
あの元基さんなら「そっかー」の一言だけで、
素で受け入れそうです。オソルベシ天然。(え)
まぁまもちゃんも後半は天然はいってたけど……。(←そんな彼がスキサ…)
アニメのお友達設定って、なんかいろいろ想像出来て楽しいですv

 

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Comment

ツンデレ
  • 大福
  • URL
  • 2008-09-15 00:37
  • edit
甘々まもちゃんも好きですがツンデレまもちゃんも大好きですw
楽しく読ませて頂きました~vvvこれからも応援してます^^

PS:私もまもうさのお話を書いてます。お暇な時にでも遊びに来てください♪
無題
  • ヽ(>ω<*)ノ
  • 2010-01-18 22:42
  • edit
まもちゃん、カッコイイ…惚れます(◕∀◕*)
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