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以前、拍手でリクエストいただいた、「星野→まもうさ+ちび」のお話です。
いや……もうすでに、なんか「星野VSちびうさ」って感じなのですが……orz
以前書いた「大切な人」http://miraikazoku.blog.shinobi.jp/Entry/44/
の続編っつーかなんつーかな話です。
とりあえず、星野が不幸です(笑)勢いで書いたんで細かいところはキニシナイデくださいねv
夕方夕暮れ帰り道。
午後はオフということで、久しぶりにお団子とでも帰ろうかと思った矢先、
校門で見かけたピンクのお団子頭。
あれは、もしかして……
攻防戦。
「もしかして、ちびっこか?」
声をかけると、ピンクのお団子頭のちびっこは、びくりと体を震わせ
警戒するようにこちらを見たかと思うと、しばし目を丸くした。
「あれ?あなたは……」
このピンクのお団子頭のちびっこは、つい先日、
俺に「月野うさぎのことをどう思っているのか」と
前置きなしにいきなりストレートに問いかけてきたことがある。
まあ、いろいろあって、事なきを得たのだけれど、あれは結構鮮烈だった。
小姑に責められる嫁みたいな気持ちってあんなのかな、と思ったもんだったよ、まったく。
しみじみと思い返していると、ピンクのちびっこが口を開いた。
「あなたってアイドルなんだよね?今日は、お仕事じゃないんだ?」
「はは、今日はラッキーなことに、午後はオフなんだよ」
「ふーん。よーするにヒマなのね」
「ぐっ」
ジト目でそう言うちびっこの毒舌は相も変わらずらしい。
しかし、ここで反論したところで、返り討ちにあうだけのような気がしたので、
俺は戦法を変えてみた。
「ふっ、そうだ。俺はヒマなんだよ。だから、ヒマついでにお前の大切な『月野うさぎ』と
一緒に帰ろうと思ってここで待ってるとこなんだ」
すると、ちびっこはみるみるうちに顔色を変えた。
「えっダ、ダメ!!うさぎは今日はあたしと……」
「あれ?星野、ちびうさ、そんなところでどうしたの?」
高い声が後ろから聞こえてきたかと思うと、話の中心人物のお団子が
目をきょとんとさせてこちらに近づいてきた。
うーん。ウワサをすれば影が射すってのはあながち間違いじゃない。
「あ、うさぎぃー!」
ちびっこはそういうと、お団子の側に嬉しそうにかけよっていった。
その姿は正に母親に擦り寄る子供……
いや、これ前にもあったよな?俺そんなこと考えたよな?
……同じ表現をするとは……なんか不吉な感じだ。考えるのはやめよう。うん。
「ねー早く行こうよ!」
そうこうしている間に、ちびっこが、お団子のスカートをひっぱって、
何かを急いている声が聞こえてきた。
これはマズイ。このままだと完全に置いてけぼりをくらわされる。
そう思った俺は、お団子の側へと近づいた。
「お団子は今日も居残りか?相変わらずだなー」
「もう!ほっといてよー!あたしどうしても勉強ってダメなのよ」
「勉強だけじゃなくて、うさぎは運動もそんなにできないでしょ」
「うっさいわねー」
いつの間にか2人の言い争いになっている。
うーん。どうしてもちびっこは俺とお団子が一緒になるのを防ぎたいらしい。
よし、ここは強行突破だ。
「まーまー、いいじゃねーか。もう夕日も傾いてるし、
そんな機敏性のないお団子に俺がボディーガードとして今日は送って言ってやるよ」
「え?」
よし、これでなんとか用件は伝えられた。
ふうと一息ついていると、お団子が気まずそうな顔をした。
「ごめん……あたし今日はちびうさとまもちゃん家に行く約束してるんだ。
だから……」
「そ。だから、一緒に帰れないんだからねー」
気まずそうなお団子の言葉と、勝ち誇ったかのようなちびっこの言葉が
クロスして聞こえる。
……そっか……そういう伏兵があったか……
彼氏というのは、どうも、俺とお団子の中を察知して
予定を入れてきているような気がしてならない。
一緒に帰るぐらい、許してくれよ。
マジで俺には彼氏の何かがついてんじゃないのか?
しかし、今日はここで、ハイそうですかと引き下がるわけにはいかない。
俺は息を吸い込むと、一世一代の大勝負に出た。
「んじゃ、俺途中まで一緒に行くよ。途中までなら、いいだろ?」
最初はお団子に、最後はちびっこに向けてはなった言葉は、
お団子の「それなら」という言葉と、ちびっこのしぶしぶとした頷きによって了承された。
「で、そしたら夜天の奴がさー」
「へーそうなんだ、意外―!」
楽しげな会話が続く中で、ちびっこはじとっとした目で俺を見つつ、
かといって話に積極的に入ってくるでもなく大人しく後をついてきていた。
うんうん。やーーっと諦めてくれたか。
後ろからついてくる小姑のような禍々しい視線を精一杯無視すれば、
久しぶりにお団子と2人で話せているので、これより嬉しいことはない。
この時間がもっと続けばな……と思っている矢先、
ちびっこがぴたり、と急に立ち止まった。
「?どうしたの?ちびうさ」
お団子の問いに、ちびっこは、無言で200mくらい先にある
クレープ屋を指差していった。
「うさぎ、あれ、買って来て」
「え、な、なんであたしが~!?」
「お金はあとであたしが払うし、うさぎも好きなの買っていいから!
だからとにかく行ってきて!」
「……う……うん……」
ちびっこの切羽詰っている様子に、何かを感じたのか、
一瞬ちびっこを心配そうな瞳で見つめて、それから、お団子はクレープ屋に走っていった。
「……んで、そんなにまでして、俺に何がいいたいんだ?」
お団子の走る姿が少し小さくなったところで、俺は先手を打ってちびっこに問いかけた。
すると、ちびっこは暫しの無言のあと、俺をキッと見つめた。
「もうこの際はっきりいうけど……あなたはもう、うさぎに近づかないで!!」
ああ、やっぱりそんなことか……予想も予想通りの言葉に俺はがっくりと肩を落とす。
「だから……別に、俺はお団子を彼氏からとろうって訳じゃないって言っただろ?
それだったらいいってちびっこも前いったじゃねーか」
「それだったらいいっていうのは、普通に一緒にいる場面は許すっていったの!
今日みたいに待ち伏せして一緒に帰ろうなんてことは、許すっていった覚えは無いわ!」
毅然と言い放つちびっこに、俺は思わず目が点になる。
え……そんな限定条件付きだったのか……?
「そんなん言われてもな……」
彼氏とか、特別な関係になれなくても、好きな人と一緒にいたいっていう思いは、
変えられないに決まってる。
そんなことさえできずにいるのは、はっきりいって、辛すぎるだけじゃないか。
何故、そこまでして俺を排除……うん、排除っていう表現が本当に正しい……したいのか。
俺には、この小さな子の心理がわからなかった。
その時、以前の会話を思い出す。
そうだ、最後に言ったあの言葉に対する返答。
自動ドアの音にかき消された答えを、俺はまだ知らない。
その答えに、ちびっこがここまでしてお団子を守る答えが、あるような気がした。
「なあ、ちびっこ」
「なに?」
「あの時、聞こえなかったから、もう一度聞くけど……
おまえにとって、『月野うさぎ』はどういう存在なんだ?」
ちびっこは、きょとん、と一瞬目を丸くすると、
すぐに真剣な眼差しになった。
「だから、月野うさぎはあたしの……」
「ちびうさーーー!!!」
ちびっこが正にその答えを言おうとした瞬間、
お団子の元気な声と駆けてくる足音が、耳に入ってきた。
うーん。とことん間が悪い。
ちびっこも折角言おうと開きかけた口がそのままあんぐりと呆けた形になっている。
あまりの間の悪さに頭を抱えている俺とちびっこに、
おだんごはただ?マークを浮かばせるだけだった。
「とりあえず、あんたが好きないちごにしといたけど、これでよかった?」
「うん……ありがと」
「もう、お代は今日は別にいいから、今度からこういう突然なのはやめてよね」
お団子はそういいつつも、力なくクレープを受け取るちびっこを心配そうに見た。
すると、ふわり、と舞った金糸の髪に、白い何かがついているのが俺の目の端に映る。
ははーん。クレープを受け取った時かなんかについたな。
「お団子、髪にクリームついてるぞ」
「え、うそ、どこどこ?」
彼女は慌ててあちこちを見回すが、
ちょうどそのクリームは彼女の目からは見えない位置についていて、
自分で取るのは鏡でも見ない限り、至難の場所だった。
「ちょっと待って、じっとしてろ。俺がとってやるか」ら、と言おうとした言葉は続かず、
そのままピンクの頭が、近づいていた俺とお団子の間に割って入り、
まるでお団子をかばうかのように、手を広げて、ガードの態勢をとった。
「お、おい……」
「え、ちょっとちびうさ……」
ちびっこは戸惑っている俺たち……っていうか俺をギギンッと見据えて、
「あたしのママに手ぇださないで!!」
そう、あらん限りの大声で、はっきりきっぱりと言った。
「もう、ちびうさ、大声でそんなこといわないでよ!」
「だってそうだもん。ほら、うさぎ、こんなことしてる場合じゃないよ!」
「あ、そうだ!うわー、もうこんな時間!!?
ご、ごめんね星野。あたしもう行かなきゃ。
じ、じゃあまた明日、学校でね!」
……
……………………
なんだか目の前で目まぐるしい会話が起きて、
いつの間にか2人ともいなくなっていたけれど、
そんなことはお構いなしに、俺は不覚にも一つの言葉に囚われて、
固まってしまっていた。
マ……ママ?
ママって一体……????
どういう意味なんだ……?
たどり着けそうもない言葉の魔力にかかった俺は、
堂々巡りをする思考を抱えて、
夜天に後ろから蹴っとばされるまで、そのままずっと立ち呆けつづけた。
Fin
あとがき(反転)
星野とちびうさの話は「大切な人」のみにするつもりだったのですが、
また見たい!とのリクエストがあったので(ありがとうございます!)
特急で思い浮かんだのを作ってみました。
うん……この2人めっちゃ描き易い……。
文章的にはペースが速すぎてるなーというところはありますが、
まあ、勢い文ですし、直すとまた大変なのでもうこれで(を)
今回ちびちゃんに言わせたかった言葉は「あたしのママに手ぇださないで!」(笑)
やっぱり、自分のママンにパパ以外の誰かが恋という意味で好意を持っているってしったら、
ヤになるし、どうしても邪魔したくなるんじゃないかな、と思います。
きっとスターズアニメにちびちゃんがいた場合は必死に星野から離そうとしていたに違いない(笑)
多分あとでまもちゃん家に言った際に、
「ちびうさがねーこんなこといったのよー」
「だってー」
「へーそれは見物だったな」とでもいう親子な会話がなされていることでしょう(笑)
そして、うさぎがいないときに、まもちゃんがよくやったな、って、ちびちゃん褒めてたりね(笑)
こんだけダメージ受けてますが、
固まっている星野は、多分本当の意味では、「ママ」という意味を理解しない(できない)と思います。
きっと大気あたりに
「それは、ママみたいな存在って意味じゃないですか?」って諭されて
うんなるほど!と納得すると思う。
だってやっぱ、本当の意味知ったら面白くないですしね!(こいついいやがったよ)
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